by 篠原設計室 一級建築士事務所
篠原設計室は、墨田区・京島の細い路地に面する設計事務所です
このまちで暮らし、デザイン活動をする日々の中
感じたこと、考えたことをつづっています
篠原設計室は、墨田区・京島の細い路地に面する設計事務所です
このまちで暮らし、デザイン活動をする日々の中
感じたこと、考えたことをつづっています
改修工事の現場にて。
和室の解体を行っていると、長押の奥にスーパーボールが挟まっていました。
現調の際、しばらく使われていない様子の室内は暗く、寂しく、そこに生活のイメージは残っていませんでした。
しかし、不意にこういうものが現れると、たちまち周りに暮らしのイメージが広がっていきます。
このスーパーボールは、なぜここに挟まったのか…
床に弾ませて遊んでいたら乗っかってしまい、どうにか取ろうとするけどあと少しで手が届かない…
兄弟で取り合いになり、お兄ちゃんに隠されてしまったのか…
食事中に遊んでいて、お父さんに取り上げられたのか…
そしてその家族はどうしてこの部屋を出て行くことになったのか…
テレビで見る回想シーンのように、いままで暗かった部屋に生活の面影と家族の声、臭いがカラフルに広がっていきます。
そう、確かにココにも人間の生活が広がっていたのです。
その事を忘れずに、これからここに暮らす人達の生活の場をしっかりと、大切につくりたい。
あらためてそう思わせてくれる出来事でした。
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