by 篠原設計室 一級建築士事務所
篠原設計室は、墨田区・京島の細い路地に面する設計事務所です
このまちで暮らし、デザイン活動をする日々の中
感じたこと、考えたことをつづっています
篠原設計室は、墨田区・京島の細い路地に面する設計事務所です
このまちで暮らし、デザイン活動をする日々の中
感じたこと、考えたことをつづっています
京島の路地を歩いていると、本当に色々な音が聞こえてきます。
台所の音、ナイター中継、夕食の団欒、風呂桶の音、姉妹が歌っているGReeeeNの「キセキ」、AMから流れている中島みゆきの「わかれうた」、電話での会話、反抗期の子供と大人のケンカ…
路地を進むにつれて移り変わる、各家庭の音の中に様々な生活が想像され、ニヤけてしまうことも多いです。
建築を使うのはやっぱり人間なわけで、多様な生活や暮らしを見せてくれるこのまちは、やはり刺激的です。
ケンカといえばこんなこともありました。
夜の10時頃、前の路地を3年生くらいの男の子がかけて行き、「父ちゃんが暴れてる!!」
おそらく近くの親戚の家に駆け込んだのでしょう、おじさんらしき人がその子のうちに向かっていきました。
恐る恐る戻ろうとする男の子に「大丈夫か」と声をかけると、こっちに精一杯の笑顔を向けてくれました。
数軒となりの長屋の中からは怒鳴り声がしばらく続き、私と男の子は無言で路地に立ち尽くしていました。
今に映画『血と骨』のように一人が玄関を破って飛び出し、続いて一升瓶を持った男が出てくるのかと想像していました。
間もなくおさまりましたが、そんな生活もここにはあります。
ここに住んで5年になりますが、そこまでの大事はそれっきりです。
夫婦喧嘩や、親子喧嘩、兄弟ゲンカは、よく、聞こえてきます。
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