by 篠原設計室 一級建築士事務所
篠原設計室は、墨田区・京島の細い路地に面する設計事務所です
このまちで暮らし、デザイン活動をする日々の中
感じたこと、考えたことをつづっています
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Western Metal Supply Company Building
画像:Wikipedia
ぺトコ・パークのWestern Metal Supply Company Buildingに打ち込まれた内川のホームランを良く覚えています。画像:Wikipedia
球場を建設する際解体予定だったこの建物は、今ではその角がレフトポールの役割を担い、この球場のシンボルとなっている。
メジャーリーグの球場は特異な形状をしているものが多い。
旧ヤンキー・スタジアムのライトの狭さ
フェンウェイ・パークのグリーンモンスター
パシフィック・ベルパークにおけるスプラッシュ・ヒット
日本人の気質上、スポーツが行なわれるフィールドでこのような形状は考えられません。
これらは建設当時の敷地条件によるものが多く、日本であればまずそのような敷地は選ばれないし、そこしか無いにしても根気強く交渉を重ね、十分な土地を確保するでしょう。
しかしなぜでしょう、メジャーリーグのそれらの球場はまちに馴染み、そこで地元のファンたちが思い思いの声を発し、気に入らない試合ならさっさと帰ってしまう。
まるで生活の一部のように球場に足を運んでいる印象を受けます。
京島から東京ドームまで遠くはありません。
ですが、そこそこのジャイアンツファンである私も、野球観戦といえばそれなりに予定を立てないと足を運べません。
小さな頃、公園で野球をする時レフトとライトの距離は全然違っていた。
人数が少なければ三角ベースにした。
いきなり誰かの兄貴が来て、虫の居所が悪いのか強烈なライナーを続けざまに放って帰って行った。
日本の野球少年のフィールドと、プロ野球選手の球場には大きな違いがある。
しかし、メジャーリーグの球場は野球少年のフィールドの延長上にあるように思える。
そこにはまずそのチームの“まち”があり、えらそうに球場があるのではなく、皆が集まる公園の中の、そのあるスペースでスター達が野球をやっているのである。
そうすればそのカタチはただの偶然であり、誰かの兄貴が『こっち側狭いから壁高くしよう』と言ったのだろう。
だから彼らはその場を“BALL PARK”と呼ぶ。
こういった考え方は建築を考える上でも重要であり、とくに成熟した都市であればあるほど、そのあり方には注意を払わねばならない。
結果、建築という“PARK”ができたら、それは一つの成功であろう。
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