by 篠原設計室 一級建築士事務所
篠原設計室は、墨田区・京島の細い路地に面する設計事務所です
このまちで暮らし、デザイン活動をする日々の中
感じたこと、考えたことをつづっています
篠原設計室は、墨田区・京島の細い路地に面する設計事務所です
このまちで暮らし、デザイン活動をする日々の中
感じたこと、考えたことをつづっています
ムサシが冷えたコンクリートの階段で涼んでいました。
ここが気持ちイイのもあとしばらくです。
そしてうちは寝室に扇風機を出しました。
クーラーが苦手ため、これからの季節はコイツで乗り切ります。
先日、テレビで水うちわなるものを見ましたが、すばらしいと思いました。
あの透明感と、水に浸したときの涼感には、まさに日本人特有の感性が感じられました。
夕時、水うちわを片手に散歩ができたら、さぞ気持ちイイでしょう。
東京で夕涼みができるのはこの時期(瞬間に近いですが…)だけです。
これから待っているのは、梅雨の蒸し暑さと、連続熱帯夜の新記録です…。
商店街に出ると風鈴の乾いた音が幾重にも重なっていました。
暑かった一日、夕方になり気持ちのいい風が吹きはじめました。
京島で暮らしていると、様々な音が聞こえてきます。
子供の足音、声、水の流れる音、まな板を叩く包丁の音、工場のプレス音、ナイターのラジオ中継、居酒屋から漏れて来る大きな声、洗濯機がまわる音、親が子供を叱る声、ローラー滑り台の音、区の定時放送、、、
人々の生活が路地に染み出し、毛細血管のようにまちが繋がっているのです。
御飯時になると様々なメニューが今度は鼻をくすぐります。
このまちに訪れる方々は立派な一眼レフを首に下げていらっしゃいますが、耳と鼻も敏感にすればさらにこのまちを楽しめますよ。
…ちなみに今、ハンバーグの匂いが事務所に入り込んできました…。
東京オリンピックの招致ポスターを初めて見たのは、浅草橋の駅の階段を下った所でした。
私はかなりの早足なのですが、チラッと見えたそのロゴマークに急停止し、しばらく足を止められてしまいました。
デザイン・コンセプト「MUSUBI(結び)」
デザイン・モチーフ 「MIZUHIKI(水引)」
だそうですが、なるほど日本らしくていいデザインだと思います。
デザイナーは榮久庵憲司氏。
超大御所です。
身近なところではキッコーマンしょうゆの卓上ビンが有名でしょう。
道行く人々の足を止めさせ、そのデザインで人の心を惹きつける。
そんな作品を世に送り出したい欲求は、少なからず、あります。
マドリードのロゴもかわいいですね。
シカゴと、落選したバクーのロゴは冬季オリンピックの雰囲気。結晶を連想させてしまうからでしょう。
並べられて比べられると、日本のロゴは少しおとなしいでしょうか。
それも込みで日本らしいということで…。
私の出身地、長野で行われた冬季五輪のこのポスターも好きでした。
私はかなりの早足なのですが、チラッと見えたそのロゴマークに急停止し、しばらく足を止められてしまいました。
デザイン・コンセプト「MUSUBI(結び)」
デザイン・モチーフ 「MIZUHIKI(水引)」
だそうですが、なるほど日本らしくていいデザインだと思います。
デザイナーは榮久庵憲司氏。
超大御所です。
身近なところではキッコーマンしょうゆの卓上ビンが有名でしょう。
道行く人々の足を止めさせ、そのデザインで人の心を惹きつける。
そんな作品を世に送り出したい欲求は、少なからず、あります。
シカゴと、落選したバクーのロゴは冬季オリンピックの雰囲気。結晶を連想させてしまうからでしょう。
並べられて比べられると、日本のロゴは少しおとなしいでしょうか。
それも込みで日本らしいということで…。
南青山の事務所に打ち合わせへ。
押上の駅からはsky treeの建設現場が良く見えます。
先日、最下部の鉄骨取付を終えたとニュースで見ましたが、順調に「藍白(あいじろ)」の鉄骨が組み上がっているようです。
この新タワーは良くも悪くも周辺地域に大きな影響を与える訳でありますが、実際組み上がっていく様子を間近に見ていると、そんな事は頭の片隅に追いやられ、子供の頃のようにワクワクした気持ちになります。
東京タワー建設当時も皆同じ気持ちだったのでしょう。
時代や生活・経済状況が変わっても、人の本能的な感覚は変わらないようです。
東京タワー建設後、6年を経て東京オリンピックが開催されたわけです。
sky tree完成後、5年を経て再び東京オリンピックは開催されるのでしょうか。
当時とはまったく違うコンセプトのオリンピックを目指しているようですが、願わくばひたすら発展を求め、日本橋の上に高速道路を架けてしまう、そんな当時の野蛮な、しかし純粋な時代の胎動に呑み込まれてみたい。
東京タワー建設当時は、熱いリベットを打ち付ける乾いた音が、青空に響き渡っていたのでしょう。
押上の駅からはsky treeの建設現場が良く見えます。
先日、最下部の鉄骨取付を終えたとニュースで見ましたが、順調に「藍白(あいじろ)」の鉄骨が組み上がっているようです。
この新タワーは良くも悪くも周辺地域に大きな影響を与える訳でありますが、実際組み上がっていく様子を間近に見ていると、そんな事は頭の片隅に追いやられ、子供の頃のようにワクワクした気持ちになります。
東京タワー建設当時も皆同じ気持ちだったのでしょう。
時代や生活・経済状況が変わっても、人の本能的な感覚は変わらないようです。
東京タワー建設後、6年を経て東京オリンピックが開催されたわけです。
sky tree完成後、5年を経て再び東京オリンピックは開催されるのでしょうか。
当時とはまったく違うコンセプトのオリンピックを目指しているようですが、願わくばひたすら発展を求め、日本橋の上に高速道路を架けてしまう、そんな当時の野蛮な、しかし純粋な時代の胎動に呑み込まれてみたい。
都市空間の中で公私をわけるものはどのような要素であろうか。
たいていの場合それは塀であったり、玄関までの前庭であったりするわけで、自分の土地の領域を示すものであることが多い。
京島の場合にはそれが無い。
その代わりに四季折々、共に楽しめる鉢植えなどが路地にはみ出し、路地が生活の場となり京島らしいコミュニティが育まれている。
「この道、おそらくこの家の土地なんだろうな」
と思いながら通る極細の道も多い。
こんな環境に居ると、自然と意識はまちの中につながっていく。
たとえば、玄関開けっ放し、なんてことも抵抗がなくなってくるのである。
私の事務所もこの季節は玄関を開け放っている。
デスクから1,500㎜先の路地からは時間の移ろいと共に、声・音・におい・風…様々な“生活”が事務所の中に飛び込んできます。
この“生活”は、私の建築への考え方に大きな刺激を与えてくれています。
出来る限り身体で享受し、考えをめぐらせたい事柄なのです。
←ここにはマンションが建つことが決まっています…
公私のハザマでは時にパーティーが開かれます。
たいていの場合それは塀であったり、玄関までの前庭であったりするわけで、自分の土地の領域を示すものであることが多い。
京島の場合にはそれが無い。
その代わりに四季折々、共に楽しめる鉢植えなどが路地にはみ出し、路地が生活の場となり京島らしいコミュニティが育まれている。
「この道、おそらくこの家の土地なんだろうな」
と思いながら通る極細の道も多い。
こんな環境に居ると、自然と意識はまちの中につながっていく。
たとえば、玄関開けっ放し、なんてことも抵抗がなくなってくるのである。
私の事務所もこの季節は玄関を開け放っている。
デスクから1,500㎜先の路地からは時間の移ろいと共に、声・音・におい・風…様々な“生活”が事務所の中に飛び込んできます。
この“生活”は、私の建築への考え方に大きな刺激を与えてくれています。
出来る限り身体で享受し、考えをめぐらせたい事柄なのです。
広い敷地の一部には家庭菜園が現れ、ネギ・ピーマン・トマトなどなど…。
ガレージには堂々のHarley-Davidson.
作業に来たクロス屋さんと、ガレージシャッターの業者の方もしばらく仕事が手につかない様子。
夜あらためてお邪魔になり、ガレージで一杯。
最近はハーレー仲間がよく訪れ、『ここ、イイよ』とお気に入りだと、うれしい言葉。
時間が深くなるとオーナーさんの人生観にも触れることが出来ました。
その人生の背景にこの建築があり、その生活を少しでも彩ることが出来ていれば、これほど嬉しい事はありません。
LDKとつながるガレージ
職人さんは作業を終え、一人ガレージにて奥さんの帰りを待たせて頂きました。
静かで暖かな日和と、気持ちのいい風。
最高でした。
ガレージには堂々のHarley-Davidson.
作業に来たクロス屋さんと、ガレージシャッターの業者の方もしばらく仕事が手につかない様子。
夜あらためてお邪魔になり、ガレージで一杯。
最近はハーレー仲間がよく訪れ、『ここ、イイよ』とお気に入りだと、うれしい言葉。
時間が深くなるとオーナーさんの人生観にも触れることが出来ました。
その人生の背景にこの建築があり、その生活を少しでも彩ることが出来ていれば、これほど嬉しい事はありません。
静かで暖かな日和と、気持ちのいい風。
最高でした。
■Tg HOUSE 2008.09竣工
これから新幹線で移動。明日、昨年竣工した住宅のメンテナンスを行います。
三ヶ月・六ヶ月と定期検査を実施し、その結果少し目立ってきた入り隅部のクロスの隙の補修、そしてガレージシャッターの調整を行います。
木造の場合、特にはじめの一年は木の収縮が大きいので、補修や調整が必要な場合があります。
もちろん業者さんのアフターサービスでやって頂けます。
この住宅はリビングとガレージがつながっていて、訪れるたびにガレージの雰囲気が変わっているのでとても楽しみです。
前回はバイクが一台追加されており、カッコいいハーレーを間近で拝ませて頂きました。
今回はどうなっているでしょう。
妻の情報によると、ムサシは今はクリーニング屋さんのお向かいのお宅で、暮らしているようです。
それで最近はそのお宅のアルコーブで寝ているのです。
買い物帰りのご婦人がそのように話していたそうで、その方は「タロウ」と呼んでいたとの事。
私と妻は最近まで「ともにゃん」と呼んでいたわけで、まるで『耳をすませば』に出てくるムーンのようだなと思いました。
『耳をすませば』はとても好きな作品です。
といってもDVDを持っているわけでもなく、テレビで放映されても必ず見ようと心待ちにしているわけでもありません。
でも何故か見はじめると最後まで観てしまうのです。
私の中で惹きつけられる、その理由の一つは、登場人物の話すセリフがとてもキレイな言葉であるということにあります。
特に雫の作品を読み終わったあとでおじいさんが言う
「よくがんばりましたね。あなたは素敵です。」
このセリフ、声、間、お気に入りです。
それで最近はそのお宅のアルコーブで寝ているのです。
買い物帰りのご婦人がそのように話していたそうで、その方は「タロウ」と呼んでいたとの事。
私と妻は最近まで「ともにゃん」と呼んでいたわけで、まるで『耳をすませば』に出てくるムーンのようだなと思いました。
『耳をすませば』はとても好きな作品です。
といってもDVDを持っているわけでもなく、テレビで放映されても必ず見ようと心待ちにしているわけでもありません。
でも何故か見はじめると最後まで観てしまうのです。
私の中で惹きつけられる、その理由の一つは、登場人物の話すセリフがとてもキレイな言葉であるということにあります。
特に雫の作品を読み終わったあとでおじいさんが言う
「よくがんばりましたね。あなたは素敵です。」
このセリフ、声、間、お気に入りです。
先日購入したDeLonghiのコーヒーメーカー。
消費電力や使い勝手、メンテナンスばかり気にする妻が、めずらしくデザインに惹かれ、半ば衝動的に購入しました。
見た目も機能もシンプルで使いやすいです。
私としてはガラスジャグの持ち手部分に使われている、ラバーの感触がとても気に入りました。
上部がカップラックになっているので、似合うカップを探そうと思っています。
消費電力や使い勝手、メンテナンスばかり気にする妻が、めずらしくデザインに惹かれ、半ば衝動的に購入しました。
見た目も機能もシンプルで使いやすいです。
私としてはガラスジャグの持ち手部分に使われている、ラバーの感触がとても気に入りました。
上部がカップラックになっているので、似合うカップを探そうと思っています。
建築の表現は二次的である。
対して、歌はそれが発せられた瞬間に表現となり、絵画や書はその軌跡がそのまま表現となる。
こと陶芸に関してはその指先で形作られる愛しい空間と姿に対して、言いようのない嫉妬を覚えてしまう。
陶芸のように建築が作れたらどんなに楽しいだろうか。
■照井壮 フタモノ
数年前、有名デパートの個展にて購入。
私はもう少し丸みをおびて、いわゆる形がいいものを推したが、妻と女性店員は座りがよいこちらの作品を選んだ。
住宅建築においても最終的な決定権は女性が握っていることが多い…。
『少女が学校帰りの畦道で名もない野花を摘んでくる。
笑顔で母親に手渡すと、その野花は素敵な一輪挿しにおさまって父親を出迎える。
それを見た父親は今日一日の母子のやりとりを思う。』
と、有名な放送作家の方が言っていました。
私はこんな風景を思いながら、「この小さなトコには一輪挿しを…」とか「この柱には掛花入れを…」とか考えつつ住宅を設計しています。
事務所においてある照井壮さんの一輪挿しと、朝のゴミ出しの帰りに道端に咲いていた花。
照井さんは大好きな作家さんです。個展の度、手元に増えていった作品についてはまた改めて…
あるアニメに影響を受け、その世界観を都市のプログラムに引用し、そこから建築を考えようと試みたのは大学での卒業制作であった。
そのアニメに登場し、いい距離感で物語に介入してくるのがJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』である。
最近、同書の村上春樹訳が出版されているのを知り、近くの図書館で取り寄せてもらった。
「週に一冊の本を読破する」と決めたのはずいぶん前の事で、その決心もなかなかファジィなのですが、今はこの本を読んでいます。
建築に偏ることなく本を選ぼうと思っています。
最近面白かったのは、村上龍『半島を出よ』 装丁もお気に入り。
建築モノで今思いつくのは、平松剛『光の教会 安藤忠雄の現場』
何かお勧めありましたら教えてください。
J.D.サリンジャー (著)
村上 春樹 (翻訳)
『The Catcher in the Rye』
2003年
白水社
そのアニメに登場し、いい距離感で物語に介入してくるのがJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』である。
最近、同書の村上春樹訳が出版されているのを知り、近くの図書館で取り寄せてもらった。
「週に一冊の本を読破する」と決めたのはずいぶん前の事で、その決心もなかなかファジィなのですが、今はこの本を読んでいます。
建築に偏ることなく本を選ぼうと思っています。
最近面白かったのは、村上龍『半島を出よ』 装丁もお気に入り。
建築モノで今思いつくのは、平松剛『光の教会 安藤忠雄の現場』
何かお勧めありましたら教えてください。
J.D.サリンジャー (著)
村上 春樹 (翻訳)
『The Catcher in the Rye』
2003年
白水社
南青山の事務所にて打ち合わせ。
夕方事務所に戻り、これから夜にかけて先日のスケッチを図面におこす。
仮眠が取れれば良いが、そのまま模型製作に着手。
明日の夕方、お世話になっている不動産屋さんにてプレゼン。
実現する可能性は、…どうでしょう。
しかし特徴的なまちの中の独特な敷地に対して、面白い計画ができそうである。
どんな性格の依頼であっても建築に対しては真剣に、そして楽しんで、一生懸命に考えることを心がけています。
それがこれからの仕事に、必ず生きてくると信じています。
『KYO-JIMA [3] project』(仮)
乞うご期待ください。
夕方事務所に戻り、これから夜にかけて先日のスケッチを図面におこす。
仮眠が取れれば良いが、そのまま模型製作に着手。
明日の夕方、お世話になっている不動産屋さんにてプレゼン。
実現する可能性は、…どうでしょう。
しかし特徴的なまちの中の独特な敷地に対して、面白い計画ができそうである。
どんな性格の依頼であっても建築に対しては真剣に、そして楽しんで、一生懸命に考えることを心がけています。
それがこれからの仕事に、必ず生きてくると信じています。
『KYO-JIMA [3] project』(仮)
乞うご期待ください。
お世話になっている不動産屋さんに依頼された案件のスケッチを終え、休憩を兼ねた夕飯の買出しに近くの商店街へ。
なじみの魚屋さんに行くと
「今日はおそろいで」
めずらしく妻と二人の私は、さっそくいじられる。
くじら肉が置いてあり、妻が調理法を聞いていると、まわりのおばさんも別の作り方を教えてくれている。
「また料理おぼえちゃったなぁ」
魚屋のお父さんが妻をからかう。
コンビニや、スーパーにばかり通っていた一人暮らしの頃には考えられない豊かな時間が流れる。
こうした人々の生活を基に、地域というのは強く、やさしく、豊かになっていくのだろう。
今日はくじら肉、ネギトロ、コブを購入。合計900円
帰りに猫達が道を塞いでいました。
なじみの魚屋さんに行くと
「今日はおそろいで」
めずらしく妻と二人の私は、さっそくいじられる。
くじら肉が置いてあり、妻が調理法を聞いていると、まわりのおばさんも別の作り方を教えてくれている。
「また料理おぼえちゃったなぁ」
魚屋のお父さんが妻をからかう。
コンビニや、スーパーにばかり通っていた一人暮らしの頃には考えられない豊かな時間が流れる。
こうした人々の生活を基に、地域というのは強く、やさしく、豊かになっていくのだろう。
『桜が咲くと人々が集まってきて、“いい場所”に幔幕を廻らす
建築家の伊東豊雄氏が、自身の建築の原イメージとして話されていた言葉です。
日曜日に多少季節外れの花見を行いました。
場所は京島南公園、通称『マンモス公園』
アーティストによる歌や三味線、活弁士によるサイレント映画の上映など楽しいひと時を過ごせました。
幔幕はありませんでしたが、私達にとって確かにそこは“特別な場所”になっていました。
準備をしていると子供達が興味をしめす…
だんだん増えてきて…
…こうなる。
地域性だろうか、子供たちは世代の違いを気にせず会話ができる。
ギターと三味線のセッション。
…少し落ち着かなかったのは私だけであろうか。
やはりそこには領域を計れる(推定できる)、何かが必要だと感じてしまう。
それは建築なのかもしれないし、人々の意識なのかもしれない。
建築はしばしばその領域を曖昧にしようと試みられるわけだけど、曖昧にした領域を補完するように、人々の意識がその建築に入り込まないと成立しない。
今回のことで考えてみれば、私達以外の人々の意識が、曖昧な領域を補完しきれなかったということであろう。
それは同時に私達の(建築の)無神経さを表しているように思える。
その幔幕一つでそこが特別な場所になる』
建築家の伊東豊雄氏が、自身の建築の原イメージとして話されていた言葉です。
日曜日に多少季節外れの花見を行いました。
場所は京島南公園、通称『マンモス公園』
アーティストによる歌や三味線、活弁士によるサイレント映画の上映など楽しいひと時を過ごせました。
幔幕はありませんでしたが、私達にとって確かにそこは“特別な場所”になっていました。
地域性だろうか、子供たちは世代の違いを気にせず会話ができる。
…少し落ち着かなかったのは私だけであろうか。
やはりそこには領域を計れる(推定できる)、何かが必要だと感じてしまう。
それは建築なのかもしれないし、人々の意識なのかもしれない。
建築はしばしばその領域を曖昧にしようと試みられるわけだけど、曖昧にした領域を補完するように、人々の意識がその建築に入り込まないと成立しない。
今回のことで考えてみれば、私達以外の人々の意識が、曖昧な領域を補完しきれなかったということであろう。
それは同時に私達の(建築の)無神経さを表しているように思える。
■TREK 1000SL フレアーダブルトーン
少し肌寒い朝でしたが、愛車にまたがり荒川へ行ってきました。
河口までのいつもの20kmコース。
風もそれほど強くなく、すぐに身体が温まりました。
オレンジのゴーグルを通すと、土手の緑がより鮮やかに目に飛び込んできて世界が変わります。
朝の湿気で濃くなった若草の臭いが鼻をくすぐり、全身で風を感じる。
自転車は五感の全てに刺激的です。
早起き野球、リトルリーグ、ランナー、ペット…
仕事に煮詰まっている時など、人それぞれ色々な生活を想像させてくれるこの風景は、私にとって良い頭の切り替えと、リフレッシュになります。
週末ライダーですが、ほぼノーマルのフレアーダブルトーンを見かけましたら、ぜひ声をかけてください。